我流ボルトラオス【ポケモンSV S8最終24位】
【はじめに】
こんばんは。スポンジです。
今回はS8に使用していた構築の紹介となります。
今回の構築はお世辞にも強いとは言えませんが、自分の好きな要素をたくさん詰め込んだかなりお気に入りの構築です。
使用難易度は高いですが使っていて楽しい構築なので、攻め寄りのサイクルが好きな人はぜひレンタルを使って遊んでみてください!
レンタルは8月中までは公開しておきます。
【構築経緯】
9世代環境において、上から運で全てを解決してくるパオジアンというポケモンが個人的にあまりにも嫌いなので、レギュDの新解禁のポケモンで、そこに軸として雰囲気強く出れそうなポケモンを探していた。
レギュDの考察を重ねるうちに、水ウーラオスがこの環境において相当希望のポケモンになれると感じたので、新ルール1シーズン目は水ウーラオスを軸に添えた構築を作ることにした。1番使いたかった型がパオジアンを基本上から殴れるスカーフ型だったので、今回はスカーフ型で採用。ちなみに本構築とは別でもうひとつ構築を作っていたが、そちらも構築の組み始めは水ウーラオスである。そちらはスカーフではなく別の型ですが。
次に水ウーラオスの相方を考える。スカーフ水ウーラオスは先発で出すよりも後発から出した方が強いなと個人的には感じていたので、先発に投げやすい相性の良いポケモンを探した。スカーフ水ウーラオスを固定しながらいろいろ取り巻きを模索していたところ、最初に試していた霊獣ボルトロスの使用感が段違いで良かったので、相方は霊獣ボルトロスにすることにした。このポケモンの強かった部分は「個体紹介」の欄で簡単に解説する。
この2体では相手のカイリューが厳しめなので、ゴーストフェアリータイプが欲しいなと感じた。ボルトラオスとサイクルをしつつ最後に詰めまで行える性能を求めていたのでそれに該当するポケモンを考えたところ、Sブーストハバタクカミが適任だと感じたので採用。
この3体をよくいるスタンパに対する基本選出と想定して残り3体の補完を考えた。
霊獣ボルトロスは「くさむすび」を等倍で受けてくるランドロスやガブリアスが地面タイプ枠である構築、モロバレルなどの状態異常を絡めてくるポケモンがいると選出が難しくなる。霊獣ボルトロスと同じように初手投げが出来てそこら辺に強いポケモンを考えたところ、特殊技持ちのラムのみカイリューが最適であろうと考えたので採用。
この4体では、たまにいる受け気味の構築と、お膳立てをして1匹のエースを展開してくるような展開構築が厳しかったので、そこを超火力で破壊できるガチグマを採用。霊獣ボルトロスが出せない時に困るディンルーに強かったり、このポケモン自身も状態異常耐性があるので、補完枠として適任だと感じた。
ここまでの5体で、最低限自分が構築に欲しいなと思う部分はだいたい満たせていた。ちなみにこの5体の取り巻きを完成させたのは、7月4日のことである。我ながら、ここまで早い段階で5体を固定出来たのはなかなか凄いなと感じます。
さて、ラスト1匹。ここの枠は7月25日付近まで正解に気づかなかった。構築に欲しい要素は5体でだいたい足りているので、最後の1匹は構築にいることで勝率を少しでも上げることが可能なポケモンを探した。こちらが初手霊獣ボルトロスを投げる展開は、初手にハバタクカミやパオジアンを出せれる展開を嫌い、逆にウーラオスやディンルーを初手に投げられる展開を好むので、相手視点でこちらが初手投げをするように見える選出誘導力が高いポケモンを探した。20日まではずっとバサギリを使っていたが、本当に選出誘導しか仕事をせず、ちょっと別のポケモンを使いたいなと考えていた。そこでひらめいたのがデカヌチャンである。デカヌチャンは初手にステロ電磁波をするイメージが強く、パオカミにも雰囲気強いポケモンなので、選出誘導としては合格。更に裏から投げて強い型を思いついたことで、選出誘導以外の仕事もこなせるなと感じたので、最後のピースとして完璧にハマった。
以上の6匹で、構築の完成とした。
【構築コンセプト】
・数的有利を正義とした攻め寄りのサイクル+対面構築
・どの3匹を選出しても最低限のパワーを確保できる
・パオジアンが強い環境は不快に感じる対戦があまりにも多いので、こちらからの上振れ要素をなるべく相手に押し付けず、ストレスが少なくなるような対戦を展開する。
・自分がプレイしていて楽しいと思えるようなポケモン対戦をする。
【個体紹介】
207(252)-176(76)-120-x-80-140(180)
持ち物:こだわりスカーフ
技構成:すいりゅうれんだ/インファイト/アクアジェット/とんぼがえり
・A特化パオジアンの「抜群テラバースト」が乱数43.7%
・補正なしC252振りテツノツツミの「フリーズドライ」を確定耐え
・すばやさは準速+1セグレイブ抜きのライン。(ちょっと過剰かも) あまりは攻撃。(一応、11nの数値になる)
最高のポケモン。
パオジアンに雰囲気強いポケモンとして構築の組み始めに採用しました。
基本は後発から投げ、ふんわりとした引き先にもなりながら、上から殴ってスイープをしてもらったり、圧力をかけながら「とんぼがえり」をすることでサイクルを回してもらいます。
そのための耐久振り調整です。引き先となることが多い分、細かい調整が活きることはあんまりないと感じたので、難しいことは考えずにHにぶっぱしました。ただ、耐久があることで拾えた試合はかなり多かったです。
「アクアジェット」の採用理由は、最後のスイープをする際に大きく削れたブーストハバタクカミやパオジアンを上から倒せるからです。この技があることで、楽に詰め切れる試合もしっかりありました。
最初は耐性が優秀な「毒テラスタル」で採用してましたが、タイプ一致のリーチを伸ばした方が強い場面が明らかに多かったので「水テラスタル」としました。
剣盾では、せいでんきサンダーが環境TOPだったこともあり、自分で使うと技選択が狂いそうだなと思いほとんど使ってこなかったポケモンでしたが、パルデアではあまりストレスがなくこのポケモンを使うことが出来ました。
オール命中100と確定急所が、上振れ要素と下振れ要素を極限まで排除していて、自分の構築とプレイングで勝ち負けが決まるので、性能が段違いで好きなポケモンとなりました。
174(156)-x-91(4)-198(116)-101(4)-150(228)
持ち物:オボンのみ
特性:ちくでん
技構成:10まんボルト/くさむすび/ラスターカノン/ボルトチェンジ
・A特化水T水ウーラオスの「すいりゅうれんだ」をいい乱数で耐える。(ダメージが113.7~134.4%。オボンの回復込みでこちらの方に分がいい確率で耐えます。)
・C特化眼鏡サーフゴーの「シャドーボール」を確定耐え
・すばやさは準速ウーラオス、最速サーフゴー抜き。あまり特攻。
水ウーラオスの相方です。タイプ補完がシンプルに良いだけでなく、水ウーラオスを止めるために切らされがちな水テラスタルに打点を持てるのが高評価点です。
基本は初手投げをして試合のテンポを取ってもらいます。
このポケモンはテラスタルをしなくてもディンルーや水ウーラオスに強く、鋼テラスタルをすることでハバタクカミやパオジアンなど本来苦手な相手にも耐性を変えながら大きなダメージを与えることが出来るので、環境TOPのポケモン達にかなり強いなと感じました。
すばやさがある程度速く、上からテンポを取っていきやすいのも大きな魅力です。
最初は最速CSで使っていましたが、初手水ウーラオスと対面した時にスカーフ水テラスをされて出落ちしたくなかったので、ちょっとだけ耐久に振りました。最速ウーラオスが環境的に少ないとも感じていたので、Sラインは落としても良いという判断です。
実際問題、水ウーラオスに水テラスタルを切られる場面はほとんどなかったので、確定耐えまでは降らずにこちらに分がいいラインで甘えています。ただ、全体的に耐久数値がカツカツなので、耐久に振って良かったなと思う場面はかなりありました。
持ち物は「オボンのみ」です。水ウーラオスの「すいりゅうれんだ」や、ディンルーの「カタストロフィ」を受けた際に機能します。
先制技で縛られにくくなるなど普通に対面性能を上げる効果もあり、個人的には霊獣ボルトロスを使うなら1番強いアイテムだと思います。こだわり前提の動きをされることもかなり多かったので、この型は間違いなく刺さっていました。
ハバタクカミ@みずテラスタル
131(4)-x-101(204)-161(44)-156(4)-205(252)
持ち物:ブーストエナジー
特性:こだいかっせい
技構成:シャドーボール/ムーンフォース/あまえる/いたみわけ
・ミラーを意識して最速
・CSイーユイが「ムーンフォース」で乱数2発(90.2%)で落ちる。(サーフゴーの流行により終盤はイーユイが増えると予想していたので、意識しています。)
・あまりはB振り
性能と見た目を総合したら、9世代で1番好きなポケモン。
カイリューに強いフェアリー枠として採用しました。
カイリューに後出しから強く出れる型は「エナジーあまえる型」か「速いこだわりメガネ持ち」のどちらかだと個人的には思っているので、今回は詰めを行える前者の型で採用しました。
この枠は「隠密マント持ち3Wミミッキュ」と入れ替えながら使っていましたが、構築全体が物理に寄っていることもあって、最終的には特殊のハバタクカミとなりました。
カイリュー、ハバタクカミ、パオジアン、水ウーラオスのTOP4にしっかり抗えそうな顔をしてるのがあまりにも強すぎる。
175(68)-154-103-167(252)-120-124(188)
持ち物:ラムのみ
特性:マルチスケイル
・準速キノガッサ+2のSライン、あまりH
贅沢な補完枠。また、この構築唯一の上振れを狙えるポケモンです。
霊獣ボルトロスと似た動きが出来つつ、基本選出では厳しい相手に強く出れる型で採用しました。
霊獣ランドロスやガブリアス、なんならミラーに刺さる「れいとうビーム」、対面ウーラオスを1発で倒せるタイプ一致技「エアスラッシュ」、特殊技を見て出てくるヒードランやイーユイをカモるための「じしん」、最強先制技「しんそく」の4つとしました。
鋼テラスタルの理由は、守りのタイプとしてシンプルに強いからで、対ハバタクカミなどに無理やりテラスタルを切って削りを入れて、裏で詰めれるシーンが多かったからです。
レギュDにおける対面寄りのカイリューがテラスタルを切らずにウーラオスに対面有利を取るためには、「れいとうパンチ」まで考慮したら特殊技が必須だと思って採用しましたが、実際に使用感としてはシーズン中盤までは良かったです。
ただ、シーズン終盤に、速い霊獣ランドロスやハチマキガブリアス、ひこうテラスタルカイリューが流行ったことにより、この型が刺さらなくなっていたので、環境的には逆風でした。追い風要素は後出ししてきた電磁波カイリューをカモれたくらい?
ガチグマ@どくテラスタル
223(140)-202(188)-126(4)-x-101(4)-92(172)
持ち物:かえんだま
特性:こんじょう
・Hはやけどダメージが最小となるように16n-1
・S無振りチオンジェン、ジュナイパー+2のSライン。あまりA
崩し+破壊枠として採用しました。
主に受け気味の構築や展開構築に選出します。
基本は単体性能を評価して採用していますが、ガチグマを活かす上での強い動きも、この構築であれば一応組み合わせられます。
ガチグマを使う上で難しい点が「どうやってかえんだまを素早く発動させるか?」です。対面的な動きだと、出した1ターン目にかえんだまが発動してなくて、相手のポケモンを倒しきれない盤面が多発してしまいます。
その問題を少しでも解決出来る方法が、①対面操作を使って着地させること ②火力がない受け気味のクッションを呼ぶことで安全に着地させることの2つだと僕は考えました。
①に関しては水ウーラオスや霊獣ボルトロスを軸に添えることで、②に関してはそもそも選出する構築を絞ることで、条件を満たすことが出来ました。特に水ウーラオスとは相性が良く、パオジアンの電気テラスタルをケアするための「とんぼがえり→ガチグマ引き」が決まるシーンは多くあったので、その2匹の並びは使用感が良かったです。
型としてはいたってシンプルな型ですが、「かみくだく」採用が少し珍しいと思います。これは、受けループにガチグマ受けとして入っていたジュナイパーやフワライドを削る打点として、また特性ふゆう+ゴーストテラスタルや風船サーフゴーでガチグマを見てくる相手に刺さるので採用しました。実際に対受けループにはほとんど負けませんでした。
「ドレインパンチ」の採用理由は、殴りながらHP回復をすることで単純に場持ちを良くするためです。
毒テラスタルの理由は、ハバタクカミに強い守りのタイプだからで、弱点が少なくてシンプルに強いです。水テラスタルとどちらにするかは悩みどころですが。
ただ、このポケモンもシーズン終盤に行くにつれて、選出時の勝率が悪くなっていくのを感じたので、もしかしたら違うポケモンを模索するべきだったのかもしれません。
それでも、唯一無二の性能であることは間違いないので、気合でよく頑張ってくれました。
デカヌチャン@みずテラスタル
169(68)-139(252)-98(4)-x-126(4)-137(180)
持ち物:とつげきチョッキ
特性:かたやぶり
技構成:デカハンマー/じゃれつく/アイスハンマー/じならし
・A種族値75という驚きの低さ(ドオーやエモンガ、レヒレなどと同じ数値です)なので、当然A特化。
・すばやさは準速サーフゴー抜きのライン
最後に入ってきたアイドル枠。
といっても、想定以上に活躍しました。
構築経緯で解説した選出誘導が1番の役割ですが、チョッキ型は構築のきつい部分をかなり埋めてくれました。具体的には
・ハバタクカミで詰める上で面倒なミミッキュに強く、ハバタクカミの代わりにフェアリー枠として選出することも出来る。(終盤にミミッキュが増えていたので、選出機会が増えた)
・相手視点からは見えないハバタクカミへの引き先となる。引いた後は、裏へ大きな負荷をかけることが出来る。(特に相手のカイリューに対しては、特性「かたやぶり」で受けが成立しなくなり、そこから更に上から殴れるのが面白い。)
といった感じで、舐めている相手にはちゃんと勝てるパワーがありました。
「アイスハンマー」はHB以外のカイリューをだいたいワンパン出来るのが魅力ですが、ミミッキュと一緒によく組まれていたイダイトウに打点がない点は気になったので、「はたきおとす」を採用しても良いかもしれません。
「じならし」はヒードランやイーユイ、ブースト勢に刺さるので、個人的には必須枠です。「じゃれつく」はウーラオスへの打点として重宝しました。
【選出】
「初手要員(霊獣ボルトロスorカイリュー)+裏2匹」が基本的な考え方です。
スタンパには「霊獣ボルトロス+水ウーラオス+ハバタクカミ」が基本。
パオジアンがいたら、ほぼ水ウーラオスを選出します。
カイリューがいたら、なるべくハバタクカミを選出したい。(全部は無理ですが)
ガチグマは、受けを崩せないなと思ったり、積んでくるポケモン(特にウルガモス)を潰したいなと思ったときに選出します。
デカヌチャンはミミッキュ入りや、相手の特殊に対して引いてから裏ごと貫いてEasy WINを取れそうな時に選出を検討します。
【きついポケモン】
構築のパワーを最低限しか確保してないので、きつくないポケモンが存在しません。
全て気合で頑張りましょう。
特に不利だなと思っていたのは、ドオー、ハッサム、イダイトウ、ウルガモス、チオンジェンのどれかが入っている構築です。
【結果】
TN スカーレット レート2131.415 最終24位
【あとがたり】
とりあえず、最低限の結果は残せてよかったです。ただ、嬉しさ5割、悔しさ5割という感触です。自分の最大目標は最終1位ということになっているので。
前回の記事で「次は最終1位を目指します。」と言った後の2か月間は本当にポケモンが楽しくなかったです。
最終1位を目指すための構築を考える過程で「こんな弱い構築で勝てるわけがない。没!」をひたすら繰り返したわけですから。弱いって思う原因の5割が上から怯ませてくるパオジアン、2割が数値バカのディンルーに勝てないからなんですけど。
今回の構築はパオジアンへのメタを無視したSOS構築です。なので、スカーフ水ラオスを軸にはしていますが、普通にパオジアン自体は重いです。
強い構築を作るのではなく、プレイしていて楽しい構築を作りました。実際、最終日の対戦は、やりたい動きが何回も決まってそこそこ楽しかったです。勝ちきれませんでしたが。
レギュDになり、レギュCよりもパオジアンが弱いという感覚はあるので、レギュCよりは楽しめそうな環境ではありますが、パオジアンが構築を組む上で1番邪魔な強いポケモンであることであることには変わりないので、あと2か月間最後までやるかはわからないですね。
おもんないと思ったら、おとなしく別のことに逃げようと思います。